「夏油ー!新しいおもちゃ連れてきた!」
「お”ぇ…………吐きそう……」
まさか陀艮の生得領域に連れてこられるとは…吐いたら殺されそう…堪えろ自分…落ち着け自分…!
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「君が人間を連れてくるなんて珍しいね。何か面白いことでもあったのかい?」
「そうそう、聞いてよ夏油。あの人間の魂ヘンなんだよね」
「変って?」
「魂の中に魂が入ってんの」
「…へぇ」
夏油が興味深そうに一拍置いて言葉を返すが、真人は気にもせず先程の話を続ける。
「でさぁ、そのもう一個の魂には呪力が全然無くて、無理やり入れようとしたけど弾かれちゃったんだよね。で、多分それで拒絶反応を起こしてああなってる」
そう言いながら真人は砂浜で口を両手でおさえながらうずくまっている彼女を指す。あぁ……と、夏油は納得したように呟く。
「そうか、それはなかなか……面白そうだね」
夏油は顎に手を当てながら、ニヤリとした。
「あ!俺の玩具だから飽きるまでは貸してやんないからね!」
「えー?釣れないなぁ」
真人が両手でバツを作ってむくれたような顔をわざとらしくつくってみせると、夏油もわざとらしく困ったような顔をした。
「(魂が2つ……ねぇ……)」