「わぁうみきれい」
「みてみて〜めっちゃつついても反応しない」
「この状況に耐えきれずに現実逃避してるね」
「おーい、生きてる〜?」
そう言って真人は私の頬をペチペチと音がするくらい叩く。痛い。それと同時に私の意識は無理やり現実に戻された。力の差は明確なんだからちゃんとそれを踏まえてちゃんと考慮して行動に移して欲しいよね。あ、今私頭良さげな感じなこと考えてた!?
「…………あー、限りなく死に近いです」
「あはは顔やば」
いや、めちゃくちゃ顔ツンツンしてくるな。指噛んでやりたいけど何されるかわかんないので我慢。偉いね私。
「君って意外と図太いよね。最初はビクビクしてたけどさぁ」
「あ、時間的にそろそろ家に帰りたいんですけど」
「めっちゃ俺の話無視するじゃん。そういうとこだよね君。まぁいいけどさ」
「帰りますねーお邪魔しました」
「じゃあ俺も君の家にお邪魔しちゃおうかな!」
「はぁ!?文字通りお邪魔する気じゃ…」
「よし、しゅっぱ〜つ!」
「ちょっと!」
真人に無理やり手を引かれ、私は陀艮の生得領域を後にする。
私の人権尊重されない…まぁ、相手そもそも呪霊だし仕方な……くはないな。真人に心のノート渡せば少しはマシになるかなぁ。ならないだろうなぁ……なんて自問自答していたら家に着いていた。ただいまマイホーム。今日私めっちゃ頑張ったよ。今も絶賛頑張ってるよ。