6-2

「漏瑚〜この肉もう取っていい?」
「それはまだちゃんと焼けとらん」
「えーもう良くない?取るね」
「まだ取るなと言っておるだろう!!」
「■■■」
「貴様は喋るな花御ィ!!」
「ねー花御その草って美味しいの?」
「■■■■■」
「へぇ〜俺も食べてみたい!陀艮も食べてみる?」
「ぶー」

「賑やかだね」
「ですね……」

頼んだ肉が運ばれてきて数十分経ち、いつの間にか漏瑚が焼肉奉行になっていました。結構しっかり……だいぶしっかり焼いてくれている。私としてはもう少し軽めがいいけど、焼いてくれてるお陰で私は食べることに専念できてるのでおk。
てかこのロースめちゃうまいな……うま…………
肉を咀嚼していると前にメロンパンに言おうと思ってたことを思い出した。

「あの、げ…じゃなくて、け…いや、えーと」
「夏油でいいよ」
「メロンパン…さん」
「メロンパンどこからきた?」
なんでメロンパン……?という呟きが聞こえたが説明すんのめんどくさい(というか説明したらマズイ)ので無視して話を進める。

「この前真人に私のスマホの画面を割られまして」
「へぇ、それは災難だったね」
「そうなんですよ。なので修理費ください」
「……うん?」
「あ、聞こえませんでした?修理費ください」

メロンパンはかなり耳が遠いらしい。まぁそりゃおじいちゃんだし仕方ないね。2回目は少し大きめの声量で話してあげた。

「いや別に聞こえなかった訳じゃなくて……え、なんで私がお金出さなきゃいけないの?」
「一応保護者的な……アレです。」
「いやアレって言われてもな……というか真人の保護者はどっちかって言うと漏瑚じゃない?」
「いやでも呪霊だからお金持ってなさそうですし……」
「君の保護者の基準はお金持ってるか持ってないかなの?」
「そうですね」

そう言うと、メロンパンさんは「あー……」と呆れたような顔をしながら目をそらす。

「そっか……とにかく修理費は払わないから自分でどうにかしてね」
「はぁー!?でも前になんか話してたじゃないですか!真人のせいでなんか壊れたら貴方に言えって!」
「いや言った覚えないんだけど……」

嘘つけ言ってただろ。お前の頭のパカパカするとこでフリスビーしてやろうか!!

「スマホは動くんだろう?それなら修理しなくてもいいんじゃない?」

呆れたような声音で言われた。むかつく。

「ケチ……」
「聞こえてるよ」