頼りなくチカチカと点滅する街灯に照らされる夜道。人通りの少ないそこに1人、もしくは数人の話し声が聞こえた。
「夏油、結局アイツは何者なのだ」
「さぁ?私もまだ分からない」
夏油は隣を歩く漏瑚へ視線を向けることなく答える。そこへ後ろで陀艮と遊んでいた真人が会話に入ってくる。
「確かに気になるところではあるけどさぁ、それってそんなに重要?」
「重要に決まっておるだろう!真人、アレの魂を見て何か分からなかったのか」
「んー、魂の中にもうひとつ魂があったってことくらい?」
「魂の中にもうひとつ魂があっただと?」
真人の言葉を聞いた漏瑚は目を丸くした。
「うん。多分術式を知覚するのが遅かったのもそれが関係してるんじゃないかなって俺は思う」
「真人、その話だけどもう少し詳しく聞かせてくれる?」
「いいけど……どうしたの夏油、なんか嬉しそうだね」
「嬉しいと言うより……面白い、かな」
そう言って夏油は小さく笑みを浮かべた。
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「ッハー!食べた食べた!!他人の金で食う焼肉マジで美味かった!」
やっと呪霊達からのプレッシャーから開放されました。まぁ焼肉美味しかったしいっぱい食べたしプラマイゼロ……だと思いたい。
「はぁ……私これから大丈夫なのかな。いやもう大丈夫じゃない気がするけど」
独り言を呟きながら街灯もない夜道を進んだ。
……ん?街灯もない?そんな道あったっけ。
「う、嘘だろ……」
まさかの転りんね、今年2度目の迷子。