「………?」
目覚めるとそこは自宅だった。いつも通りのことなのに何故か自宅で目覚めたことに違和感を覚えた。
「昨日……何してたんだっけ」
確か昨日は最悪のメンバーで個室の焼肉に行って、帰り道で迷子になって、直哉くんに会って……?そして……呪霊が、出てきて……そこから記憶が無い。
なんとか思い出そうとうんうん唸ってみるが思い出す気配もない。きっと起きたばっかりで頭が回っていないのだろうと思った私は朝ごはんの支度をするべく、ベットから腰を上げる。すると、テーブル…所詮ちゃぶ台と呼ばれるものの上に置いてある紙が目に付いた。
「ん?こんなん置いたっけ」
首を傾げながらもとりあえず手に取ってみると、そこには見慣れない手書き文字が書かれていた。
「『おはよう。昨日は楽しませてもらったよ。これからも真人と仲良くしてくれると助かるな』……いや、仲良くするわけねぇだろ!!!っていうかこれ書いたやつメロンパンだよな!?JKの家に不法侵入すんじゃねぇ!!」
おっといけないいけない、ついカッとなってしまった……こういうときはアレだ。えーっと……アンカー……ハンガー……?マネジメントだ。イラッとした時に6秒待てばキレなくなるっていうやつ!深呼吸!そうすればきっと隣の部屋から壁ドンされる頻度が減る!
「吸ってー吐いてー……これでよし!」
深呼吸してスッキリした私は、手に持っていた紙を必要以上にクシャクシャに丸めてゴミ箱へシュートする。が、見事に外したのでゴミ箱へ叩き入れた。
「さーて、朝ごはん……あれ?」
朝ごはんを作ろうと思い冷蔵庫を開けてみるが中身は空っぽ。卵すらなかった。なので今日の朝ごはんは冷蔵庫横に置いてあるパンだけだ。
「自分の馬鹿……昼前に買い物行かなきゃな……」
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「あ”っつ……スーパーとの温度差よ……」
現在8月上旬。絵に描いたような晴天。気温はくそあつい。食材買うついでに2Lジュース買おうかなって思うくらい暑い。でも重かったので500mlのやつにした。家帰ったら氷めっちゃ入れたコップに注いで飲むんだ……!!
鼻歌交じりに歩いていると突然横から聞き慣れてしまったような、しないような声がした。
「あれ、りんねじゃん」
「うわっ……」
気温がさっきより数度下がった気がする。