3-1

前回のあらすじ

やらかした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「そっか!なんでもしてくれるんだね」
「いや、なんでもとは言ってないというかその!!まって!!その顔やめて!!!」

何をお願いしよっかな〜、なんて言いながら邪悪な笑みをした真人がジリジリと近づいてくる。

「あの〜…近づいてこないでもらえます?」
「だって君が後退るからさぁ…追いたくなっちゃうんだよね」

ホントに性格悪いなコイツ、と改めて思う。
というか一体何を要求されるんだ。きっとろくでもないことだろうし、命の危険だってある。なんとかここを切り抜けようと思考を巡らせるが、思考がまとまらずいい案は浮かんでこない。
どうしよう、どうしようどうしよう……!!

「……っ!!」
真人に追いつかれそうになり、焦った私は玄関目がけて走りだした……が、勿論上手くいく訳がなく。ダンッと勢いよく床へ押し倒された。

「ぐっ……!」
「アハッ 逃げんなよ」
「クソっ……」

きっとラブコメだったらこれからいい雰囲気になるんだろうが今の私にとっては命の危機だ。盛り上がる場面なのは間違いないだろうが。そして不幸なことに私の取ってしまった行動は相手の興奮を煽ってしまったようで……ここからどうすればいい?
一か八か術式の発動を狙ってみる……?いや、まず攻撃向きの術式と分かったわけじゃないしなぁ…。交渉も多分無理。何言っても聞いてくれなさそうだし、まず私が上手くできない。
……これ詰んだくないか?今度こそ私人生終了?

「ねぇ」
「…っ!?」

考え込んでる時に突然話しかけられたのでびっくりして大袈裟に肩を揺らしてしまった。マジで恥ずかしい。

「アハハ!驚きすぎでしょ」
「ぐっ……で、決まりました?」

万策尽きた私は語気強めで真人に問いかける。

「あ、やっと観念した?んー…そうだな…でももう君、俺のおもちゃだしなぁ」
「は?え、それ私OKした覚えないんですけど」

あれ、そうだっけ?と、真人は首を傾げる。

「じゃ、今から正式に俺のおもちゃになるってことで!」
「嫌です。お断りします。」

お前のおもちゃになんてなってたまるかと言わんばかりに私は食い気味に答える。いや、マジで金を積まれたとてならないからな。

「ふーん。そっか、それじゃあ……」
と、言いながら真人は何やらズボンのポケットを探ると手のひらサイズの何かを出てきた。
なんだろうと思いながらよく見てみるとそれは……

「それって……あっ。」
「あ、もしかしてこれも知ってる?これ、俺の術式で小さくした人間なんだけどさ……」

はい、1個あげるよ。と、ソレを投げ渡された。
勢いでキャッチしてしまった。

「俺のお願い聞いてくれないなら……
コイツらみたいに君も改造してあげよっか?」
「おもちゃになります今後ともどうぞよろしくお願いしまーす!!!!」
大きな声で即答した。涙目で。流石に改造は嫌。

「はい、けって〜い。これからよろしくね、りんね」

よろしくしたくなさすぎる…………
いやまぁ、今死んだら元も子もないからね!ね!!
と、自分に言い聞かせるように心の中で叫んだ。