「私のスマホが………くっそ後でメロンパンに請求してやる」
私はあの後、スマホのマップアプリを使いとりあえずキネマシネマまで辿り着いた。ギリギリ開演時間前。急いでチケット買わないと……
「すみませーん!──の高校生1枚お願いします!」
「今日の回はちょうど終わったんですけど」
「へ?」
え、別の作品と時間勘違いしてた!?マジかやらかした……
「分かりました。また来ま…」
意気消沈して帰ろうとしたその時。私の目の前に儚げな美少年が横切った。
「……っえ?」
え、あ、じゅんぺ?え???ほんもの…………?私の幻覚じゃない?いやいやあれは間違いなく順平。あんな美少年他にいるわけないだろ。
私がそうこう戸惑っているうちに順平がどんどん遠くへ……ちょ、急げ自分走れバカ!!!!
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……誰かに尾けられているような気がする。もしかして高校の奴らか?だとしたらこのまま尾けられて家を知られるのはまずい。母さんにも迷惑をかけてしまうかもしれない。どうにかして撒かなきゃ……!
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まだ着いてきてるのか……?というか本当にあいつらなんだろうか。……確かこの道を進めばカーブミラーがある。近くまできたら歩く速度を速めてすぐに左に曲がろう。そしてカーブミラーを見れば誰がつけてきてるのか確かめられる。
……よし、今だ!
僕は左に曲がると直ぐに後ろに振り向きカーブミラーを確認する。と、そこには見慣れない制服を着た中性的な学生がいた。
「……誰?」
僕は急いで近くの曲がり角へ向かった。
〜〜〜〜〜
「あれ!?順平どこ!?さっきこっちの曲がり角曲がってたよね!?」