7-1

前回までのあらすじ

呪霊&メロンパンと
個室焼肉に行って
迷子になった

以上!
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「……いやいやまさかそんな。迷子なわけ……だって私もう15だぜ?流石に、ねぇ……?」

しかし周りを見渡しても見たことの無い景色。受け入れ難い事実。そして早くなる心拍数に呼応するように低級呪霊が外壁や塀から顔を覗かせてきた。

「と、とりあえずマップ見るかぁ……」

ポケットから液晶に(誰かさんのせいで)ヒビが入ったスマホを取り出し、マップアプリを開いて現在位置を調べる。しかし、何故か一向に現在地が表示されない。
そこまで電波悪いところなのか?と思い画面右上に目を向けるとそこには圏外の文字があった。

「はぁ!?圏外!?」

あまりの驚きに夜に出すもんじゃない声量が出てしまい、咄嗟に手で口を塞ぐ。
いやでもおかしいでしょ今どきこんなところで圏外とか!山かここは!山なのか!?でも地面はアスファルトだし電柱も立ってるし……?まぁ街灯ないし人気も全然ないけど。おかしいぐらいに。

「とりあえずここは己の勘を頼りに進むしかないか……まぁ、なんとかなるでしょ!」

どこからか湧いたなんの根拠もない自信を胸に私は真っ暗な道に足を進めた。

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15分後
「……あれ、この道さっきも通んなかったっけ」

30分後
「……さっきも見たな」

1時間後
「……そろそろ歩くの疲れたんですけど。疲れた……」

1時間ほど歩き続け疲れた私は道の脇に座り込んだ。
どんなに歩いても景色が変わらないって流石におかしいよね?

「もしや……ここ領域!?」

それだったら電波が届かないっていうのも納得がいく……のか?っていうか領域ってことは呪霊がいるってことじゃん!!見つかる前に早く脱出しなければ!?!?

「……あれ、どうすれば領域から出られるんだろ?」