7-2

「……まじねむ」

満腹感+疲労感で眠気がすごいことになってきました。もう寝ていいかな。今だったらこのアスファルトの上でもよく眠れる気がするよ……いやいや!!こんな危険なところで寝たら最悪死ぬ。何としてでも生還しなければ。こんなところで死んでる場合じゃねぇ!!順平を救済するために……!!
決意を固めた私は睡魔と疲労になんとか抵抗し立ち上がったその瞬間。

ドン!!

突然後方から大きな爆発音が響いた。

「…………いや無理!!!!!!」

これ絶対爆発した方に大元の呪霊いるよね!?こっちに来てくださいと言わんばかりに!!いや行くわけねぇだろバーカ!!呪術師だったらそっち向かわないとだけど私は一般市民なので逃げまーす!バイバイ!!

ーーーーーーー

「……私、逆方向に走ったよね?」

何故かさっきの爆発音の大元であろう廃ビルに着いてしまった。その証拠に窓ガラス割れてるし。なんで?もしかして空間歪んでる系の領域ですか?めんどくせぇな!!私もう疲れたよ!!ボロアパートが恋しいよ!あったかいおうちに帰りてぇよ〜〜!!

呪霊にキレながらエアー台パンしていると廃ビルの割れた窓ガラスの奥に一瞬人影が見える。
あ、もしかして呪術師さんですか!?呪霊と戦ってるっぽい……?あ、そっか〜!じゃあもう安心ですね。はいお疲れ様でした〜!対あり!!外にいると瓦礫とか怖いので私は1階で待ってますね!
そして私はドアに手を伸ばし入口付近にあった階段に座り休憩を始める。はー疲れた。せっかく美味しい肉食ったのに呪霊の領域に引きずり込まれるとか意味わかんないな。今日焼肉に誘ったクソメロンパンのせいだ。全部アイツのせい。次会ったとき高い寿司奢らせてやる!……いや金だけ巻き上げよう。もうあんな不審者と一緒に飯食いたくないわ。

「そろそろ祓い終わったかな〜っと」

そう思い少し階段を上り上の階を覗いてみる。2階に人の気配は無さそうだ。5階建てくらいのビルで人影を見た窓の位置的に真ん中辺りだったから3階かな?
もう少し上ってみよう、と眠気のせいで判断力が鈍っていたのか呪術師と呪霊がいるであろう3階への階段へ足を進めていく。上から足音が聞こえたと思うと何かが倒れたような、大きい音がビルに響いた。

「うえっ!?何、今度はなに!?」

びっくりした私はどこからかした音の発生源を見つけるべく辺りを見回すと、上から聞いたことが無い声が聞こえた。

「は?なんで人居るねん。帳下ろした筈やろ」

「 なっ……えっ、え?」

声は聞いたことが無いはずなのに、顔を見ずとも誰か分かるって凄いっすね。