〜前回までのあらすじ〜
また口を滑らせました。だいぶマズイです。
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「魂のことも気になるけど、それは君に聞いてもどうせ無駄だろうからまずは”ソレ”からかな」
真人が言う”ソレ”。確実にさっき私が口滑らせたことについてだろう。
絶体絶命すぎて逆に落ち着いてきたよね。こういう現象のことをなんていうんだっけ。ドップラー効果だっけ?いやなんか違う気がするなぁ……じゃなくて!現実逃避してる場合じゃなくて!なんかいい感じの言い訳…出てこい…出てこい…!
「前から少し気になってはいたけど、どうせ俺が知ってる情報だけだろうと思って深く詮索はしなかったんだよ。今まではね。でも、さっきの話が本当だとしたら……流石にもう無視できないでしょ」
なんでだよ!!じゃあ今回も無視しろよ!!
クッソ…遂にしっぽを掴んだと言わんばかりにニヤニヤしやがってコイツ……
「あー…さっきの話、多分私の記憶違いですね!ほら、私記憶力そんな良くないじゃないですか!だから、スルーしてもらって……ね!」
「記憶違い?ホントに?」
「ほ、ホントですよ〜…」
「……」
真人が無言で私を見つめてくる。さっき若干声が震えたのがまずかったか……?
「…なーんだ、つまんないの」
「へっ?」
あ、あっさり引いた……!?あの真人が!?もっとグイグイくると思ってたのに。まぁ、何はともあれ興味失ってくれたみたいだし、このまま真人はこの部屋からご退出願おう。オラッ!とっとと帰った帰った!!
「あの──」
「じゃ、ちゃんと答えられなかったから罰ゲームね」
「え、罰ゲーム?」一体なんのことか分からず、そう聞き返そうとした時だった。グッ、と肩を掴まれたと思った瞬間、腹部に痛みが走る。
「がはッ!?」
「あーあ。正直に答えれば痛い思いせずに済んだのにさ。やっぱ君って相当バカだよね。あ、もしかしてマゾだったりする?」
「はッ…はっ……」
いたい、いたい、きもちわるい、つらい、なんでなぐられた?くるしい、痛い…!
先程まで引いていた強烈な吐き気が痛みとともに戻ってくる。あまりの苦痛に私はお腹を抱え、その場に膝をついた。涙が止まらない。お腹の辺りがぐるぐるして、頭がぼーっとする。真人がなにか話してるみたいだけど、何言ってるか分からないし、すごく胸の辺りがきもちわるい。……あ、これやばいかも
「ていうか、相変わらず嘘をつくのが下手だねお前は。もっとマシな嘘つけな…」
「う”っ……」
「う?…………あ」
ボタボタッ、と液体が畳にに落ちる音がした。